ジャックアールの拠点

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どうもみなさんこんにちは!このブログは僕が自作小説の投稿をメインに行っていく所になります(.-_-.)

1-#13 土とともに(各大陸の説明②)

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#12 はこちら

「いやぁ、お待たせお待たセ。新しいお茶入れてきたヨ。」

「ありがとうございます。」

 僕は受け取ったお茶に早速口をつける。飲みごろの温度だ。ふぅ...

「よし、じゃあ続けようカ。どこまで話したっケ?」

「えっと、移住者がここ数年で増えたって話をしてましたね。」

「あぁそうだったネ。まぁその件はひと段落ついているから、もう話せることはないかナ...次にいっていいかナ?」

「はい。」

「じゃあ次。次に話すのは「エオリ大陸」についてダ。世界の南西に位置していて、「ポペラ」の西に位置する大陸だネ。この大陸は今までの二つとはうって変わって、気温が低く乾燥した寒冷地ダ。
 大陸の中心から西側は「寒冷地砂漠(デザーケ)」が広がっていて現地の住民でも足を踏み入れるのは危険と言われていル。大陸の東側には「町」が一つ存在していル。この大陸で唯一、人が生活できる場所。この町は「ヒルケ」という名前がついていて、大陸の東側沿岸部に広がっていル。」

「...「ニムレ大陸」とはまた違った過酷さを感じますね...」

「そうだネ...この大陸は僕たち「神」でもどうにもできないほど過酷な環境。昔はもっと色々な場所に集落が存在していたんダ。でも、「ヒルケ」以外の集落は食料が取れなかったり、地盤が氷で覆われていて家を建てることができなかったりして次々となくなっていったんダ...」

「じゃあ、「ヒルケ」の町は奇跡的に人が生きていける条件が整っていたってことなんですね。」

「うン。そんな理由もあって、この世界で一番人口が少ない大陸となっているんダ。」

「なるほど...そんな環境で住民たちはどういった生活を送っているんですか?」

「えーっとネ...環境が過酷、と言ってもここで生活するうえで衣食住は困らなイ。ここ約10年間で生活必需品を取り扱うお店が数店舗出店したんダ。それによって食料や服なんかは簡単に購入できるようになっタ。
 建築技術もかなり向上して、この地域一帯の気候に左右されない住居が建てられるようにもなっタ。気温以外は十分整った環境だと思うヨ。」

「へぇ~...話を聞いただけですけど、まるでここ「ポペラヒルク」みたいですね。」

「うーん、まぁそうだネ。町の規模は圧倒的にこっちの方が大きいけどネ。」

「あぁ、そうなんですか...それはそうともう一つ。さきほど「昔はもっと色々な場所に集落が存在していた。」と言っていましたが、それはどれくらい前のことなんですか? 」

「それはね、だいたい200年前かナ。」

「200年前...?」

 僕は何か違和感を感じた...そういえばさっきもこの単語を聞いたような...そうだ、「ニムレ大陸」の説明をうけていた時だ。

「昔は全ての大陸間で交易を行っていたんダ。だけど、200年前に起こった「ある大災害」の影響で物理的に不可能になってしまっタ... 」

 彼はそう言っていた。余程大きな地殻変動や気候変動でもない限りそんなことにはならないだろう。そう考えると、この「ある大災害」というものはこの世界全体に大きな影響を及ぼしたものだと推察される。
 200年前に存在していた集落がなくなってしまった原因もそれによるものなのでは?ちょうど時期も一致する。

 、、、などと考えていた僕の心を彼は読みとっていた。

「鋭いね、その通りダ。もともとあった集落がなくなってしまった原因は「ある大災害」の影響による気候変動。もともとこの大陸こんなに過酷な環境ではなかったんダ。でも、「ある大災害」のせいで環境が大きく変化してしまっタ。最も、そういった変化が起きたのはこの大陸だけではないけれド...」

 どうやら僕の推察は当たっていたようだ。彼は続ける。

「この世界は200年前の「ある大災害」...いやもうその言い方をする必要はないカ...その災害の正式名称は「科学災害」。これによって、この世界は大きく変化してしまっタ。僕たち「神」を含めたこの世界の住民たちは今までの暮らしを送ることができなくなってしまったんダ。だから、色々と変える必要があっタ...」

 これはまた壮大な何かがありそうだ、僕が思った以上の何かが。これ以上はまた後にしてもらおう。

「...なるほど、そうだったんですね。しかし「大臣」、その話は後にしていただいた方が良いと思いました。まさかそんなに大きなことだとは思わなくて...深く掘り下げるように聞いておいてすみません。」

「あー、そうかもネ。僕も「後で話すネ」とか言いながら結局今話しちゃってるネ。じゃあ話を先に進めるとしよウ。
 さっき大陸の西側には寒冷地砂漠、通称「デザーケ」という場所があるって言ったよネ?ここに関してなんだけど、あまりにも過酷な環境のため分かっていないことが多いんダ。分かっているのは、この砂漠に点々と存在するゴーストタウンと化した元集落のどこかに世界がこうなってしまった謎を解き明かす「何か」があるらしいという事だケ。
 だけど、調査をしようにも道のりは非常に困難で僕たち「神」の力を使ってもなお未だに発見できていなイ。現在、この大陸ではその場所を発見・調査することが重要な課題となっているんダ。」

 過酷な環境、ゴーストタウン、世界の謎を解き明かす「何か」...この大陸は今まで聞いてきた中で一番、「空の世界」へ戻る手がかりを得られそうだなと感じた。

「そして次は、この大陸の住民「エオリ人」について説明していくヨ。彼らはこの過酷な環境を生き抜く中で、「助け合い・支えあいの精神」を大事にしてきタ。だから、「エオリ人」はみな温和で他の大陸から来た人を温かく迎え入れてくれるんダ。」

 なんと素晴らしい話だろう。現実世界でも、都会から離れた地方の方々のほうが温かくしてくれる。それと同じようなことなのだろうか。

「それはなんとも...素晴らしい心を持っていらっしゃるのですね。」

「もちろん他の大陸の住民も温かく迎え入れてくれル。だけど、「エオリ人」達はその2倍以上手厚いおもてなしをしてくれるんダ。だから過酷な環境だと分かっていても、観光目的で訪れる人が多いんだよネ。」

「へぇ~、そうなんですね。僕は勝手に、他の大陸の人たちがあまり行きたがらないような印象を抱いてしまってました...」

「話だけ聞くとね、「行きたい!」という気持ちにはなかなかならないかもネ。まぁ、そういった特徴を持つ大陸でス。以上が「エオリ大陸」の説明になるヨ。次は「カコル大陸」について説明していくネ。」

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