ジャックアールの拠点

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どうもみなさんこんにちは!このブログは僕が自作小説の投稿をメインに行っていく所になります(.-_-.)

1-#14 土とともに(各大陸の説明③)

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#13 はこちら

 「「カコル大陸」はさっき説明した「エオリ大陸」の北側、「ポペラ」から北西に位置する大陸ダ。ここも「エオリ」と同様、気温が低い所になル。
 大陸の沿岸部は山々が連なっていて、たとえ上陸したとしても「カコル人」の案内なしに集落にたどり着くのは難しイ。そして、大陸の中心部には「トッコ」と「レーコ」という二つの集落が存在すル。この二つの集落はお互いの特産物を交換し、共同で生活基盤を作り上げていル。
 ここを担当する「カコル大臣」は、少々人当たりが強い性格。これは、毎日雪が降りしきり得られる食料も少ないこの大陸で住民たちの心を少しでもたくましくし、生き残る術を身に着けさせるための行動なんだってサ。」

「...そう言われるとお会いするのが怖くなってきました...」

「アハハ、多分君とはそりが合わないネ。あいつの前で少しでも弱気な言動をしたり、逆におちゃらけたりするとすぐ大きな声で一喝されるからネ。」

「そ、そんな...」

「まぁまぁ、今からそこを心配してても仕方ないからサ。もし、あいつに会う機会があったらその時にまた接し方とかを考えれば良いと思うヨ。」

「...本当にそんな感じで大丈夫ですかね...?」

「うーん、だって今こうやって僕の口からあいつのことを言っても君が実際に会ってみないと分からない部分は多いでしョ?」

「まぁ...確かに...」

「だから実際会うまでは考えても仕方ない!それで終わりだヨ。」

「はい、分かりました。」

「うん、じゃあ続けるヨ?次は「カコル人」についてだネ。彼らは口数が少なく、その態度に慣れないうちは冷淡に見えるかもしれなイ。
 だけど、それはただ単に彼らが感情表現が苦手なだけであって、決して冷たくあしらっているわけではないということを理解してあげてほしイ。根気強く関われば、彼らの心の奥底にある気持ちに寄り添えるようになると思ウ。」

 なるほど。そういえば、自分の同級生にもそういう感じの子がいた。彼も自分の感情を表に出すのが苦手だった。
 そんな彼に少しでも歩み寄ろうとしていたあの頃の自分。あの時と同じように接することができれば、「カコル人」とも仲良くできるのかもしれない。

「なるほど、分かりました。もし関わる機会があったら根気強く接してみます。」

「うん、そうしてあげテ。よし、とりあえず各大陸の説明は以上となるけどここまで大丈夫かナ?」

「うーん、まぁ一応出てきた事柄については把握できているつもりです。」

「そうだネー...実際に自分の目で確認してみないと分からないことの方が多いからネー。もしどうしても分からない部分があったら、書物とかを見て調べてみたりもしてみてネ。僕の口ですべて説明するのは無理があるからサ...」

「それはもちろんです。」

「うン。じゃあ、ここからはこの世界の歴史...「土界史」に関することを大雑把にだけど説明していこうと思いまス。」

「この世界の歴史...」

「うン。といっても、この世界の歴史には不明確な点が多イ。特に「この世界の始まり」に関することは何一つ分かっていないんダ。今見つかっている最も古い文献は600年前のものになル。
 この世界の始まりがその文献が書かれた年なのか、はたまたそれよりも前から存在していたのカ...僕たち「神」や科学者・研究者たちの間ではずっと議論が行われていル。 」

「その文献は解読されていないんですか?」

「うん、僕たち「神」にも解読不能な字で書かれていてネ。どんな言語なのかいまだに解明できていないんダ...」

「神」たちが解読できない言語?...やっぱりこの世界の「神」は全てを完璧にこなせる「全知全能の存在」というわけではないようだ。しかもこの言い方からして、この世界を生み出したのは「神」たちではないということになる...そうなると彼らは一体いつからこの世界にいるのだろうか?

「あの、気になったことが一つ。「この世界の始まりに関することが分からない」ということは、この世界が誕生したときあなた方はまだこの世界には存在していない、ということになりますよね。あなたたち「神」は一体いつからこの世界にいるのですか?」

「えっト...それはネ...」

 そう聞かれて、彼は動揺していた。まさかそこを聞かれるとは思っていなかったのだろうか?

「いや、いつかは聞かれるかもとは思っていたんだヨ。でも、このタイミングでカー...」

「...なんでそんなもったいぶるような態度をとるんですか?」

「決してそんなつもりないヨ!?ただどう説明すればいいか一瞬悩んだんダ。」

「あぁ、なるほど。」

「...うん、じゃあ説明するネ。僕たちがこの世界に「誕生」...というより「現れた」と言った方がいいかな、そうなったのは今から500年ほど前のことダ。
 それまで「土界人」たちは自分たちの力で生活をしていタ。特に大きな指導者がいるわけでもなく、平和に暮らしていたんダ。しかし、僕たちが現れる10年前ほど前。この世界は「空の世界」からの影響を受けるようになっタ。「空の世界」で起こった出来事の余波がこの世界に来るようになったんダ。
 これによって彼らの生活には様々な支障が起き始めた。彼らは今までのように生活できなくなってしまっタ。そこに今の三大臣「右大臣」、「左大臣」、「中大臣」が現れタ。僕たち大陸担当となる4名の「神」が現れたのはそれから100年後、今から400年ほど前の話になル。」

「えっ...」

「そう、実は僕ら4人の「大臣」と彼ら「三大臣」との間には100年の歳の差があるんダ。 だから、三大臣たちが僕たちよりこの世界の過去を知っているということだネ。でも、この100年間に関することは彼らは一度も話をしてくれないんダ。今もなお...ネ..」

「じゃあ三大臣のだれかに聞けば「この世界の始まり」について詳しい情報を得ることができるかもしれない、ということですか?」

「うーン...実際彼らがどこまで知っているかは僕にも分からないけど、そっちの方が可能性は高いネ。」

「そうですか...」

 「右大臣」とはここに来るまで関わった。が、その間の「右大臣」の話し方から感じるに、彼がそういった内容を簡単に話してくれるとはとても思えない。「左大臣」、「中大臣」に関しては会ったことすらないので、そういった想像もできないが。

「だから僕が話せるのはこの400年間の出来事になる、申し訳ないけど勘弁してネ。」

「分かりました。まずは、200年前に起きた「科学災害」に関することを聞きたいです。」

「あぁ~、そういえばずっとはぐらかしていたネ。ごめんごめン。じゃあまずは「科学災害」についてから話すことにしようカ。」

「はい、お願いします。」

 ようやく「科学災害」について聞くことができる...この世界に様々な影響を及ぼしたといわれているこの出来事は一体どういったものなのか?

「この世界の核心に近づくことができるかもしれない...」

 僕はそんなことを思いながら彼の話を聞いた。

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